北米の小説、詩、戯曲、評論、伝記など言語芸術、いわゆるアメリカ文学の作品や作家に関する
情報を扱う雑記帳です。関わりのある映画や音楽、ときには別の地域の作家なども扱います。
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The Mouse of Amherst: エミリーとハツカネズミ
コメント:ディキンソンの伝記。スチュアート・リトル風の子どもむけファンタジーに仕立ててある。

 エミリー・ディキンソン (Emily Dickinson) の風変わりな伝記を読みました。従来のディキンソンの伝記と違うのは、エミリーの家に住みついていたハツカネズミを語り手にしたファンタジー仕立てにしてあることです。夏目漱石の『吾輩は猫である』とE・B・ホワイト (E. B. White) の『スチュアート・リトル』(Stuart Little) をあわせた様な感じです。(ただし、この話の中で猫は語り手の天敵です。)


.エマライン (Emmaline) という白いハツカネズミがディキンソン家に住み着き、エミリーたちの生活を観察するうち、エミリーの書いた詩を読んで、自分もエミリーに宛てた詩を書く様になり、詩人として成長して行きます。二人のやりとりを通してエミリーの考えかたが読者にも段々と分かってくるしくみになっています。

動物を語り手にしたり、この動物も詩を書いたりするわけですから、事実を正確に記録した伝記とは言えなくなりますが、小さな生き物の視点でひっそりと世界を観察することができたエミリーの創造力を読者に感じさせることに成功しています。

エミリーが物語の中で喋るせりふや、エマラインが目にする詩は、すべてエミリーが実際に書き残した文章から選ばれています。

5頁めから60頁めまでが本文で、挿絵は40枚です。本文中に引用されている詩は17篇です。後書きにも2篇の詩が引用されており、エミリーが残した詩のうちいくつかをネズミの作とした根拠が示してあります。

本文の冒頭を引用します:

I am a mouse, a white mouse. My name is Emmaline.
Before I met Emily, the great poet of Amherst, I was
nothing more than a crumb gatherer, a cheese nibbler, a
mouse-of-little-purpose. There was an emptiness in my
life that nothing seemed to fill.
     All that changed the day I moved into the Dickinson
residence on Main Street. Preferring quiet quarters, I
chose an upstairs bedroom as far away as possible from
the clatter of the kitchen and the claws of the cat.

参考資料
Spires, Elezabeth. The Mouse of Amherst. Pictures by Claire A. Nivola. 1999.
     New York: Farrar, 2001.
| ミツバチとクローバー | 18:17 | comments(0) | trackbacks(0) |
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