北米の小説、詩、戯曲、評論、伝記など言語芸術、いわゆるアメリカ文学の作品や作家に関する
情報を扱う雑記帳です。関わりのある映画や音楽、ときには別の地域の作家なども扱います。
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原書: ベンジャミン・バトン
F. Scott Fitzgerald
Scribner
¥ 708
コメント:映画の原案になった短編小説ひとつだけを原文で収録。

 ブラッド・ピットさんとケイト・ブランシェットさんが主演し、デヴィッド・フィンチャーさんが監督した映画『ベンジャミン・バトン: 数奇な人生』(The Curious Case of Benjamin Button) の公開に便乗して、原作というか原案となったF・スコット・フィッツジェラルド (F. Scott Fitzgerald) による短編の本もいろいろ発売されています。これはその短編一つだけを独立した1冊にした商品です。


本文が52頁、巻末付録が4頁、あわせて56頁の薄い本です。

表紙の写真にある時計は映画に出て来た逆回りする時計を連想させますが、小説の方にそういう時計は出てこないです。裏表紙は白黒写真で、フィッツジェラルドが机に向かって本を読んでいます。

装丁は一応ペーパーバックですが、通常の廉価本とは違って高級な感じです。表紙は硬くないですが、丈夫な紙で折り返しになっています。中の紙質はハードカバーの本と同じ丈夫で柔らかい紙が使われており、閉じてからペーパーナイフで切った様な感じになっています。

巻末付録は、簡単な作者紹介と、読書会を行なうための具体的な提案や参考資料が示してあります。単語の注などは付いていないです。

小説の内容は、映画と相当に違います。同じなのは主人公の名前と、その主人公が年とともに若返って行くこと、それに舞台を合衆国の南部にしていることぐらいです。

南部と言ってもルイジアナ州ニューオーリンズの様にずっと南の方ではなく、ワシントンDCのすぐ近く、メリーランド州のボルチモアです。でも南部らしい描写は少ないです。

時代はずっと昔で、1860年に始まり、フィッツジェラルドの時代で終わります。

さて、今回この短編を初めて読んだので、少しだけ感想めいたことも書いておきます。

小説として成功しているかどうか、一読しただけでは判断が難しいです。文章は、ところどころフィッツジェラルドらしい美しい表現もありますが、全体として19世紀風なので、マーク・トウェインやエドガー・アラン・ポオを連想させます。でもマーク・トウェインなら滑稽さや皮肉をもっと強調して読者を笑わせたり考えさせるでしょう。ポオなら不気味な描写で読者をもっと怖がらせてくれるでしょう。それでも、全体としてうまくまとまってはいます。

書き出しはこんな感じです:

As long ago as 1860 it was the proper thing to be
born at home. At present, so I am told, the high
gods of medicine have decreed that the first cries
of the young shall be uttered upon the anes-
thetic air of a hospital, preferably a fashionable
one. So young Mr. and Mrs. Roger Button were
fifty years ahead of style when they decided,
one day in the summer of 1860, that their first
baby should be born in a hospital. Whether this
anachronism had any bearing upon the astonish-
ing history I am about to set down will never be
known.




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