北米の小説、詩、戯曲、評論、伝記など言語芸術、いわゆるアメリカ文学の作品や作家に関する
情報を扱う雑記帳です。関わりのある映画や音楽、ときには別の地域の作家なども扱います。
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映画『ノーカントリー』は原作より文学的
先日やっと、地元の映画館で『ノー・カントリー』[No Country for Old Men] を見ることができました。平日の昼間なのにお客さんが多かったのは、アカデミー賞のおかげかもしれません。

[上の画像]は、近日発売予定になっているDVDの商品ですが、このDVDを見たわけではないです。あくまで劇場で見た感想を書きます。少しネタばれもあります。

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全体的な印象としては、原作に忠実です。『血と暴力の国』という題名で出版された翻訳は読んでいませんが、英語の原書である No Country for Old Men には忠実な印象を受けました。

カメラワークや音楽を工夫することで、原作の設定や展開を変えなくてもサスペンス風の演出をほどこすことは可能なはずですが、それさえしていません。劇中に音楽は殆ど流れないんです。最初の方でヘンリク・グレツキの第3交響曲が少しだけ流れたように記憶しているんですが、そのあと音楽が流れるのは、最後のクレジットのときだけです。そういう大衆的な路線を拒否しているかのようです。

それでも殺戮の場面は激しいし、自動車が派手に炎上する場面もあるので、暴力的な活劇として見ることはできます。ただし、暴力的な場面を楽しむ様な効果は避けているのかもしれません。

次に印象的だったのは、悪役を演じているハビエル・バルデムさんです。この人の演技は凄いです。かつてジャック・ニコルソンさんがそうだったように、これからさまざまな映画で悪役として活躍しそうです。

一つ気になるのは、終わり近くで殺し屋が運転している車に突然よその車が追突してくる場面です。なぜ追突してきたのか、原作には理由が書いてあり、それが物語の発端と少しだけ関係しているのです。映画でも車に乗って乱痴気騒ぎをしている若者たちの姿が保安官の目に入ってくる場面はありますが、そういう行為が追突の原因になったかどうかは分からない展開になっています。でもこれは微妙な違いの範囲と言えるかもしれません。

もう一つ原作と違うというか、原作通りじゃないのは、英語の発音です。原作では南部方言が多用されており、それはほとんど変更されないで台詞にも使われていますが、発音自体はあまり南部風になっていません。標準的なアメリカ英語を聞き慣れた人なら苦労しないと思います。南部風の発音を聴かせるより、台詞の内容を聴かせる選択なのでしょう。

いずれにしても、深刻な映画です。興味深いとは言えますが、楽しいとは言えません。暴力と死について考えるために見る映画です。



| 舞台と銀幕の米文学 | 15:22 | comments(0) | trackbacks(0) |
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