北米の小説、詩、戯曲、評論、伝記など言語芸術、いわゆるアメリカ文学の作品や作家に関する
情報を扱う雑記帳です。関わりのある映画や音楽、ときには別の地域の作家なども扱います。
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『カポーティ』は渋い芸術映画
大都市での先行上映に続いて、10月14日から『カポーティ』が全国で上映中です。僕も早速、地元の映画館で観てきました。
ハリウッド的な娯楽映画の対局にある文学的・芸術的な映画でした。カラー作品とは言え、渋い色調や夜の場面が多く、派手な場面や活劇調の立ち回りはほとんど無いです。物語は基本的に、人物たちの会話によってゆっくりと進行します。ご飯を沢山たべてから観に行ったら眠くなってしまうかもしれません。そして、犯人の一人がいよいよ殺人の詳細を告白する場面で回想・再現される銃声で目を覚ますでしょう。

音楽も、環境音楽と現代音楽を足して割ったような感じで、静謐の狭間に抑制された美しさを垣間みせるような曲と演奏です。途中で少しだけ、ジャッキー・マクリーンの様なジャズが流れたりはします。

生前のトルーマン・カポーティには、スカーフをひらひらさせた軽妙・剽軽な写真や、女性的な写真が沢山のこっています。それに対して、この映画でフィリップ・シーモア・ホフマンさんの演じているカポーティは、渋めのお洒落を自分のカラーにしているビジネスマンの様な服装で登場することが多いです。同性愛を隠してはいないし、子どものように高い声でつぶやく様子は生前のカポーティと同じですが、少し男性的です。

せりふ重視で、発音も明瞭なので、英会話の勉強には向いています。ホフマンさんが演じるカポーティが In Cold Blood [冷血] を朗読する場面も長いですが、この映画の脚本全体を朗読劇として上演できそうなぐらい、言葉の比重が大きい映画です。

そういうわけで、アニメと娯楽映画しか観ない人とか、社会問題を扱った本や文芸書は読まないという人にはしんどい映画だと思います。

この映画を観る前に、予習として観ておくと良さそうな、もっと親しみやすい作品として挙げられるのは『ティファニーで朝食を』『アラバマ物語』『冷血』あたりです。映画ではなく原作を読んでおくのも良いでしょう。

追加: 「ジャッキー・マクリーンの様なジャズ」と書きましたが、実際に使われていたのはジョン・コルトレーン [コルトレイン] による演奏らしいです。吹いている楽器はテナーサックスなのに、まるでアルトサックスの様に高く柔らかい音でマクリーン風の演奏をしていたときの録音と言えば、サキソフォン愛好者のかたには分かっていただけるでしょうか。
| カポーティを追いかけて2006 | 09:51 | comments(0) | trackbacks(1) |
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ベネット・ミラー監督「カポーティ」
監督 ベネット・ミラー 出演 フィリップ・シーモア・ホフマン、キャサリン・キーナー  これは書くことをめぐる映画である。書くとは、書くことによって自分自身がかわっていくことである。書くことをとおしてそれまでの自分を越えていくということである。カポーテ
| 詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記) | 2006/10/22 9:41 PM |
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