北米の小説、詩、戯曲、評論、伝記など言語芸術、いわゆるアメリカ文学の作品や作家に関する
情報を扱う雑記帳です。関わりのある映画や音楽、ときには別の地域の作家なども扱います。
<< DVD: 映画『冷血』の事実を超えたリアリズム | main | 『カポーティ』は渋い芸術映画 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - |
VOAのボールドウィン特集
ジェームズ・ボールドウィンと言えば、ニューヨークのハーレムで育った黒人作家として、第2次大戦後は代表的な存在でした。VOA (Voice of America) のスペシャル英語で、9月30日にこのボールドウィンを紹介する番組が放送されました。
番組ではボールドウィンの経歴と代表作、作品の中で扱っている信仰・人種・性や愛などの問題、そして同じアフリカ系作家だったリチャード・ライトや若い作家たちとの関係などが簡単に説明されています。

Doreen Baingana. "James Baldwin Wrote About Race and Identity in America."

音声は
MP3リアルオーディ式の両方で聴けます。

この番組では触れていませんが、ボールドウィンはマルコムXの自伝を映画化するために脚本も手がけました。この脚本については機会をあらためて紹介するつもりです。

| ハーレムのジャズ詩人 | 16:48 | comments(9) | trackbacks(0) |
スポンサーサイト
| - | 16:48 | - | - |
VOAのテキスト読ませて頂きました。代表作と思っていた「白人へのブルース」‘Blues for Mister Chalie‘ が紹介されていないのが意外でした。また、私の持っている、その唯一の彼の著書(新潮文庫)の解説で訳者がボールドウィンはアメリカに愛想をつかしてフランスへ渡ったという雰囲気を伝えていたので、マサチューセツ大で教えていたとか公民権運動のため何度かアメリカに戻ったりしていたというのも意外でした。(解説を再読して、これらにも多少、触れていたことに今、気づきました。)
リチャード・ライトと同時代の人だったのですね・・・
| numa | 2006/10/23 8:51 PM |
いつも興味深いコメントをありがとうございます。Blues for Mister Charlie は原書を買ったけれど、まだ読んでいません。この作品はたしか戯曲ですよね。演劇の脚本を書くばあい、演出家や劇団の人たちと相談しながら書き、舞台稽古にも立ち会い、直しもします。上演可能な長さの範囲にするため、台詞を削ることもありす。上演が始まり、観客の反応を見て文章を書き直すこともあります。できあがった作品の良し悪しとは別の話ですが、小説を中心に書いている作家のばあい、戯曲よりも小説、それも長編の方にその人の本音は出やすいです。そういう基準でVOAは代表作を選んだかもしれません。(黒人音楽に興味のある人なら別の基準で選ぶこともあるでしょうね。) ボールドウィンが米国に愛想をつかしたかどうかについて、VOAは米国にとって都合の良い箇所を強調している可能性はあります。ボールドウィン自身は、愛しているからこそ批判を続けるんだという意味のことをどこかで書いていたように思います。
| Ryotasan | 2006/10/26 7:47 AM |
 穿った見方をすればこの「白人へのブルース」(名訳!)がエメット事件という生々しい残酷な差別リンチを素材にしているためVOAとして取り上げにくかったのかも知れませんね。
 あらためて、この本の序説を読んで著者がエリア・カザンの勧めでこの戯曲に挑戦したとしていることに気づきました。
 貴殿のブログに触発され、かつて読んだままで記憶の隅に追いやられていた本を書架から引っ張り出し、そうだったのかと再発見すること度々です。 感謝。 
| numa | 2006/10/26 9:45 PM |
ボールドウィンの Blues for Mister Charlie に関する投稿をnumaさんからいただいたので、週末にこの戯曲を読んでみました。

劇場で上演するために書かれた作品ですから、数時間で終わります。言葉も、一般の米国人に理解できる話し言葉で書かれており、特殊な表現はほとんど無いです。しいて言えば、主人公が1回だけ使う Pig Latin という、ある種の暗号のような言葉は、理解できない人もいるかもしれません。主人公からこの Pig Latin で話しかけられた女性も、それを理解できず、罵倒されたと勘違いします。

物語は、絶望の中に希望を見いだそうとする力強い結末で、さすがと思わせます。前書きを読む限りボールドウィンは小説こそが自分の本領だと思っていたような気はしますが、この戯曲の方が読みやすく、これからボールドウィンの作品を読んでみようと考えている読者には適しています。公民権運動について知る上でも優れた資料になりそうです。
| Ryotasan | 2006/10/30 3:05 PM |
Pig Latinについて見当がつかなかったので調べたところ岩波大英和辞典(1970)[古いね〜]のLatinの項でDog〜破格ラテン語、thieve`s〜盗賊仲間の合言葉[隠語]とありました。Pig〜は「黒人特有のスラング」の意でしょうか?
手持ちの新潮文庫(1971)[これまた古い!]で橋本福夫氏がどう訳しているのか気になりますが原書を持っていないため対比できません。よろしければどの場面でこの表現が使われているのかお教え下さい。
瑣末な質問、ご容赦下さい。
| numa | 2006/10/30 8:35 PM |
"Hey, Mrs. Ofay Ednolbay Ydalay! you got any Coca Cola for sale?"

Blues for Mister Charlie の第2幕、ロレンゾと歩いていて喉が渇いたリチャードがライルの店に入り、コカコーラを注文する場面で、上記の隠語が使われます。それぞれの単語が "ay" で終わっているので、瞬時に「Pig Latinだ」と思いました。この "ay" を削除するとこうなります。"Of Ednolb Ydal" の文字を前後逆転させると "Fo Blonde Lady" になります。ただし "Fo" が何を意味するかは分かりません。

一般的な Pig Latin は語頭の1字を語末に移動させ、そのあとに "ay" を付けます。"Pig Latin" は "Igpay Atinlay" となります。(リチャードがやっている方法は語頭の文字を語末に移動させるだけでなく、全ての文字を逆転させているので、Pig Latin の亜種 (方言) と言うべきかも知れません。
| Ryotasan | 2006/11/01 12:34 PM |
Pig Latin、まさに暗号ですね。全く知らない世界でした。とっさにこんなに喋るのも結構、頭を使うことでしょうね。新潮文庫版の橋本福夫訳はこうなっていました。
 こんちは、白人さまの令婦人さま! コカコーラを売って いただけねえですかい?
訳者もRyotasanのようにPig Latinを理解していました! 専門家の方々の知識の深さに圧倒されます。
最近、知り合いになったALTの米国人が文章理解論なるものを勉強していたというのでこの会話文が分かるか、聞いてみましょう。(ちょっと意地悪?) 
| numa | 2006/11/01 9:38 PM |
僕が翻訳者だったら、暗号の部分は「パツキンのナオンさま」とでも訳すでしょう。

リチャードはギターを弾き、ハーレムのアポロ劇場に出演したと言っていますから、音楽をやる黒人青年だったのでしょう。グリニッジ・ヴィレッジで白人の女の子たちにモテモテだったと言うのも、ヴィレッジの店に出演していた可能性を示唆しています。芸能関係者の隠語を喋る人物なのかもしれません。
| Ryotasan | 2006/11/02 7:45 AM |
>ボールドウィンはマルコムXの自伝を映画化するために脚>本も手がけました

この脚本についてブライアン・ノーマンというアイダホ州立大助教授が書いた小論が、
http://www.findarticles.com/p/articles/mi_m2838/is_1-2_39/ai_n15675152
ここ↑で読めます。
| | 2007/01/15 2:30 AM |









http://beibun.jugem.jp/trackback/136
投稿のあった日
SMTWTFS
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  
<< November 2017 >>
このブログに記事を書いている人
関連する日録や公開頁
最近のコメント
最近のトラックバック
テーマ別分類
最近の記事
過去の記事
おすすめ商品
おすすめ商品
おすすめ商品
おすすめ商品
おすすめ商品
このページの先頭へ