北米の小説、詩、戯曲、評論、伝記など言語芸術、いわゆるアメリカ文学の作品や作家に関する
情報を扱う雑記帳です。関わりのある映画や音楽、ときには別の地域の作家なども扱います。
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原書 The Tombs of Atuan: ゲド戦記2
The Tombs of Atuan (Le Guin, Ursula K., Earthsea Trilogy.)

『ゲド戦記』というかアースシー6部作、地海系列の第2部は、The Tombs of Atuan [アチュアンの墓所] です。中国語版での題名は『地海古墓』、日本語版の題名は『こわれた腕環』です。

この話では、成長して一人前の wizard (魔術師・魔法つかい) になり、mage (賢人)[あるいは魔術を使う博士] の称号も得たゲドが、世界の平和を取り戻すため、あらたな秘宝探求の旅に出ます。

ゲドが探している秘宝というのは、多島海の平和を保つ力のある腕輪です。ただし、この秘宝は第1部が始まる前の時点で二つに分断され、一つは第1部の途中、流れ着いた島の一つでゲドに渡されています。

ゲドがもう一方の断片を手に入れ、二つを繋げてもとの腕輪の形にすれば、多島海の平和を取り戻せるのです。

ゲドがまだ手にしていない断片が隠されているのは、白い肌の戦闘的民族であるカルガド人の聖地アチュアンの墓所です。ここは選ばれた巫女たちと、目に見えない不思議な力によって守られています。

さらにこの作品が独特なのは、墓所を守る巫女の視点から物語が展開されることです。




中心になるのは、第1の巫女が死亡した日に生まれたという理由で跡継ぎに選ばれた少女テナーです。その幼名を捨て、人里離れた神殿に預けられ、生まれ変わる儀式を通過し、新しい名前を授けられ、巫女になる教育を受けて成長します。思春期になると、自分たちの生活基盤となっている制度や信仰に疑問を感じたりもします。

この少女にとってゲドは、聖なる墓所へ不法侵入した盗賊であり、赤銅色の肌を持ち、頬に傷のある醜い怪物です。自分たちと同じ信仰を持たず、魔術を使う恐ろしい野蛮人です。迷宮に閉じこめ、殺してしまうことが必要です。

この先がどう展開するのかは秘密です。静かなサスペンスに満ちた物語で、英語は Harry Potter より簡単です。これから読む人は『ゲド戦記』という邦題にとらわれ過ぎない方が良いでしょう。架空の多島海を舞台にした長大な物語の第2部としてお読み下さい。
| クマさんの地海幻想 | 09:48 | comments(0) | trackbacks(0) |
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